いつの時代もPCゲーマーを悩ませる、グラボ選び。
今回は主観を一切排除で様々な海外メディアを統括した結果、コスト・性能を天秤にかけた上で、ゲーマー向けの最も優れたグラフィックカードをお届けする記事です。
集計総数、145件。
逆に考えれば、このリストに無いグラフィックカードは、購入すべきでない、とすら言えるでしょう。
果たして最高のカードに選ばれたのは一体?
最高のグラフィックカードは何か?
1位:Nvidia RTX 2080Ti

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,350MHz | 約1,650MHz |
VRAM | 金額 |
11GB GDDR6 | 約130,000~200,000円 |
ランクインの理由
不動の一位は、やはり2080Tiに決定。
現行のあらゆるゲームで4K60fpsを実現出来るのはこのカードぐらいなもので、他の追随を許さない凄みに溢れています。
クルマで例えると、このカードはまさにフェラーリ。
ファミリーカーやコンパクトカーでは満足出来ない方に、最高の訴求性を兼ね備えています。
圧倒的なこだわりを持つ人向けの、嗜好品とも呼べる輝きを放っています。
レイトレーシングとは?
光の相互反射を、リアルタイムでレンダーする機能。大幅に写実性が向上する。
DLSSとは?
深層学習によって低負荷で高画質を演出する機能。フレームレートが向上する。
RTX 2080Tiの弱点
最大の問題点として、その価格が挙がります。
発売直後よりもいくぶんか値段は落ちたものの、未だ高額であることには変わりません。
同一のカードでもメーカーごとに値段が異なるのは、基本的に性能差順であると考えるのがベター。(クロック数、冷却性能など)
更に大きなアドバンテージと思われたレイトレーシング機能を、NvidiaはRTX以外のシリーズでもサポートすることを約束しました。
よって現在GTXシリーズを使用しているユーザーが、新機能目当てで手を出す理由にはならないでしょう。
DLSSは依然としてRTXシリーズ専用。
ゲームメーカーはこの機能に好意的で、今後多くのタイトルに実装されていく見通し。
総評
大半のメディアでは、全てのゲーマーに推奨出来るカードではない、と評価を下しています。
値下がりした現在でも依然としてこのグラボは、
新しいもの好きで、常に最前線のギアを求めるマニア向けの高級品です。
2位:RX 570 (4GB)

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,244MHz | 約1,293MHz |
VRAM | 金額 |
4GB GDDR5 | 約15,000~20,000円 |
ランクインの理由
AMDのミドルクラスが堂々のランクイン。
非常にリーズナブルな値段と、1080pのゲームをプレイするのにおおよその不満を感じない性能がウリです。
なんと言っても手を出しやすい価格が最大の魅力であり、PCゲームにこれから参入するような新参にはもってこいの手頃さです。
またこの特徴をもってしても、おおよその現行ゲームをプレイすることには耐えられるVRAMとクロックを持ち合わせています。
RX 570 (4GB)の弱点
注意点として、このコスパは購入時の価格に大きく依存することです。
売り手によってはRX 570 8GBよりも4GBを高く設定していたり、或いはRX 580を超えるような場合もあります。
すでに値段の落ちた在庫処分対象である+マイニングブームで一時期急騰したため、
市場価格は混沌としている。
また気になる8GBバージョンですが、これを購入するぐらいならば上位モデルのRX 580を入手する方が合理的な判断です。
もともと、RX 580自体がRX 570のアップグレード版のため。
AMDのGPUに共通して言えるのは、Nvidia製よりも若干CPU依存度が高いと言われる一面です。
よってRX 570を最大限使用するには少なくとも、クアッドコア以上のチップが必要となります。
CPUのアップグレードを求められる場合もある。
そしてやはりネックは、将来的にリリースされるタイトルへの不安でしょう。
より要求スペックの上がっていくPCゲーム界隈において、RX 570の位置付けはあくまで「間に合わせ」であると肝に銘じるべきです。
そう遠くない未来、ローエンドカードに分類される時は近い。
総評
ミドルクラスということで将来性には乏しいものの、「今リリースされているタイトルをとりあえず遊びたい」という希望を叶えるには最高の友となり得ます。
またRX 570はFluid Motionに対応しているため、低fpsのアニメなどをヌルヌル映像で見たいという層にも訴求性が高いです。
Fluid Motionとは?
24fpsや30fpsの映像に、強制補完でフレームを差し込み60fps化する技術。
3位:GTX 1660Ti

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,785MHz | 約1,815MHz |
VRAM | 金額 |
6GB GDDR6 | 約27,000~37,000円 |
ランクインの理由
3位にはGTX 1660Tiがランクイン。
バランスの取れた性能と取り回しの良さに加え、財布の中身が寂しいユーザーでも手を出しやすい価格設定が人気です。
同系列のGTX 1660Superより上位の性能を持ち、コストと性能を比較した場合にはコチラに軍配が上がります。
大きなモニターや超高精細なグラフィックにそれほど興味が無い場合、このGPUを選択することは悪くないチョイスでしょう。
GTX 1660Tiの弱点
注意点としては、OC+ツインファンなどの高価版には手を出さないことです。
少しの上積みでRTX 2060に手が届くため、より経済的な余裕がある場合はそちらを選ぶべきです。
ミッドレンジのカードでは、オプション付加で上位品に届く場合が多い。
また性能的にバランスが良いというのは、言い換えれば微妙な性能レベルのカードとも取れます。
多くの1080pゲームを快適にプレイ出来る一方、1440pでは設定に意匠を凝らす必要が出て来るかもしれません。
もちろん4K最高設定では、快適にプレイすることは出来ない。
総評
前段のRX570よりもかなり上位性能であるぶん、しばらくの間はリリースされるゲームに対応は可能です。
難点はやはり、DLSS未対応という一点。
今後当該機能が大きな活躍を果たすとしたら、GTXナンバリングには手を出し辛い状況に陥るでしょう。
4位:RX 5700

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,515MHz | 約1,725MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR6 | 約37,000~43,000円 |
ランクインの理由
AMDのミッドレンジが4位を奪取。
兄弟機のRX 5700XTに比べ、それほど劣らない性能と価格の二点が高評価を受けました。
2Kモニターのユーザーであれば、このGPUを選択する価値はおおいにあるでしょう。
また非推奨であるものの、慎重なオーバークロック設定によって限りなくRX 5700XTと近い性能を得ることも可能になっています。
更にRX 5700シリーズから、Radeon Image Sharpeningという新機能が搭載。
鮮明化されたシャープ画質と、高フレームレートを使用することが許されています。
Radeon Image Sharpeningとは?
シャープエフェクトを使用するポストプロセス技術。
オプションのDynamic Resolution Renderingでは、フレームレートを稼ぐことも可能。
RX 5700の弱点
ほぼ同レベルのRTX 2060をすべての点で上回るパフォーマンスを持ちつつも、唯一、消費電力が大きいという問題を抱えています。
ハイエンドほどの大容量電源は要しないものの、ローエンド環境からのアップグレード勢は注意が必要となるでしょう。
RTX 2060に完勝も、消費電力も上回ってしまった。
また発熱許容範囲に関してAMDは、およそ110℃付近でも正常動作であるとしているようです。
この挙動テーブルは、サードパーティーのツールやワッシャーの追加で対応出来るものの、知識量に乏しい初心者がデフォルトで運用するにはやや不満が残る可能性があります。
AMDは問題無いとしているものの、高い発熱量は不安な部分ではある。
総評
1440pまでの、大半のゲームを素晴らしいパフォーマンスでプレイ可能。
ある程度の画質をさほど高くない金額で手に入れられるため、コスパの観点で強みを持ちます。
一方で、快適に使いこなすにはやや玄人向けな一面があり、右も左も分からない素人向けとは呼べないのが難点です。
5位:RX 5700XT

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,670MHz | 約1,925MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR6 | 約46,000~57,000円 |
ランクインの理由
現在生産中のAMD製GPUで、最速のカードRX 5700XTがランクイン。
ハイエンドに限りなく近い性能と、躊躇するほどの大金を要しないポイントが強みになります。
またRX 5700と同様にRadeon Anti-Lagが搭載されており、e-sportsに熱心なプレイヤーは一考する価値を見出せるでしょう。
AMDの熱烈なファンであれば、現実的にこのグラボを購入することが最高の選択肢になり得ることは予想出来るはずです。
Radeon Anti-Lagとは?
CPUとGPUを同期させ、DX9及びDX11の入力遅延を最大限抑える機能。
AMDの公称値は’最大31%’とのこと
RX 5700XTの弱点
RX 5700と同じく、ブロアの騒音がやや大きいというレビューは多いです。
これは定格電圧が高く設定されているため、想像以上の熱を内部に溜めてしまうことに起因します。
ワットパフォーマンスを上げる意味でも、消費電力をあえて下げることで性能が向上する場合がある。
また分類的にはあくまで’ミッドレンジの最上位‘であるため、やはり最高設定の4Kゲーミングには適しません。
大画面モニターを60fps以上でプレイしたい場合、このカードには荷が重いでしょう。
1440pまでのモニターならば、このグレード以上はオーバーパワーであるとも言える。
総評
兄弟機と同じく、玄人向けの面は変わらず。
しかしPCに聡いコアゲーマーならば、最大限その魅力を引き出すことが出来るでしょう。
6位:RTX 2060 SUPER

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,470MHz | 約1,650MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR6 | 約40,000~60,000円 |
ランクインの理由
非常にコスパが良いと評判の、RTX 2060Superが6位にランクインです。
価格も驚くほどではなく、むしろ慎ましいほどに割安な印象があります。
(RTX 2060に+50ドルでしかない)
更にグリッチレポートが少なく、相対的にトラブルが起こりづらいのが高評価を与えています。
多くの1440pゲーミングを難なくこなし、将来的にリリースされるタイトルでも、RTXシリーズであるためにDLSSによる高フレームレートを受け取る予定もあります。
個人的には、イチ押しのグラフィックカードです。
RTX 2060 SUPERの弱点
競合となるRX 5700XTには、価格では勝利しているものの、その他の面では完敗と言えるでしょう。
特殊な用途になるものの、Mac eGPU(外付けGPU)としての使用という目的がある場合、コストで上回ってもRX 5700XTを選ばない理由がありません。
価格以外でRX 5700XTに勝利している部分は無い。
4Kゲーミングに対応出来ない性能というのも、大きなモニターを所有しているユーザーからすればマイナスポイントです。
また一部のヘビーな挙動のゲームでは、いくらか設定に妥協せねばならない場面もあります。
あくまでミッドレンジのGPUであることは承知すべきである。
総評
RX 5700&RX 5700XTと同じく、2Kユーザーに最高のゲーム体験を与えるグラフィックボードであることが訴求ポイントです。
一方でやはり、4Kの解像度をヌルヌルで動かすには若干物足りなさが見えてしまいました。
7位:RTX 2080 SUPER

ベースクロック | ブーストクロック |
約1,515MHz | 約1,800MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR6 | 約77,000~100,000円 |
ランクインの理由
RTX 2080Tiの弟分、RTX 2080Superが7位にランクインしました。
およそRTX 2080を選ぶ理由を消し去ったこのカードは、かなり高級志向のコアゲーマー用GPUと呼べるでしょう。
価格帯はかなり上位であるものの、大画面モニターで素敵な時間を過ごすのに申し分ないパワーを発揮するでしょう。
RTX 2080Superの弱点
バランスに優れたRTX 2070Superの存在が、コスパという観点でこのグラボをおびやかしています。
ゲームに大金を投じるのにためらいのある層にとって、10万円近い値段はかなりインパクトを持つ数字です。
六桁の見える価格設定。口座残高を破壊する可能性がある。
またリフレッシュレートの高いモニターを所有していない場合、1440pですら頭打ちになるオーバーパワーがネックとも言えます。
もはや60fpsでは、このGPUに秘めた爆発的な能力を完全に開花させるには至りません。
120Hz以上のモニターを所持している場合、マッチした運用になる場合がある。
総評
かなり高級品という印象が強いものの、しかし兄貴分のRTX 2080Tiにかなり近い性能でありながらも、かなり抑えられた価格とも考えられます。
今後のリリースタイトルにも当分対応出来るパワーは持ち合わせているため、長く運用したい時にこのカードを選ぶのは悪い意思決定ではないでしょう。
8位:RX 590

ベースクロック | ブーストクロック |
1,560MHz | 1,591MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR5 | 20,000~30,000円 |
ランクインの理由
ローコストのミッドレンジモデル、RX 590が8位にランクイン。
リーズナブルで購買意欲をそそる価格に、1080pゲーミングを快適に行える性能が詰まっています。
画質やフレームレートにそれほど固執しない、ライトなユーザーの入り口にぴったりなワンショットです。
RX 590の弱点
最大の懸念はRX 570と同じく、それほど長く活躍出来ない見通しである面です。
数年以内にローエンド認定を受け、要求スペックを満たさない可能性はおおいに有り得ます。
RX 570よりは長生き出来るも、やはり長命とはならないことが窺える。
またGPU温度管理設計にやや不満の残るモデルでもあり、プレイ中に80℃を超えるリポートもちらほらと見えます。
排熱に自信のあるケース設計でない場合、寿命を縮める場合があるでしょう。
RX 500系最後のモデルらしく、熱設計は旧式と見られる。
総評
「1080p60fpsで充分だ」「とにかくゲーム出来ればなんでもいい」
この手のプレイヤーには、最高のコスパを誇るのが最大の特徴。
RX 570よりも若干値が張るぶん、快適性では格段に上です。
解像度を上げない限りは、最高設定でも難なく挙動するでしょう。
9位:RTX 2070Super

ベースクロック | ブーストクロック |
1,605MHz | 1,815MHz |
VRAM | 金額 |
8GB GDDR6 | 約52,000~75,000円 |
ランクインの理由
堅実さがウリのRTX 2070Superがランクイン。
このモデルが登場したことで、RTX 2070とRTX 2080を手に取る理由は吹き飛びました。
リファレンスモデルへのお約束的な税金を免除されたため、4K対応機とは思えないほどローコストであるのが特徴です。
1440pを快適に、4Kを若干の妥協で楽しみたい人には喜ばしいグラフィックカードとなりました。
RTX 2070Superの弱点
現在進行形でローエンド環境のライトユーザーに、RTX 2060Superを飛び越えてこのカードをオススメするほどの理由が見えないのが現状です。
DLSSの恩恵を受けるにはとりあえずRTXナンバリングでさえあればよく、RTX 2070Super自身には強い訴求力が備わっていません。
推奨するほど大きな特徴が無いのが欠点。微妙な立ち位置と言える。
また遂に旧世代のGTX 1080Tiを超える性能を見せてきたとはいえ、やはりライト層を躊躇させるだけの価格設定である部分は否めません。
高価格帯と呼んでも差しつかえのない部類に足を踏み入れ始めている。
総評
ハイエンドの中では比較的ローコストであるため、そこそこの美麗グラフィックを4Kモニターで楽しみたい人には適した選択肢でしょう。
DLSSやレイトレーシングを搭載したゲームが増えるほど、RTXシリーズの強みは増していきます。
10位:RTX 2060

ベースクロック | ブーストクロック |
1,365MHz | 1,725MHz |
VRAM | 金額 |
6GB GDDR6 | 約33,000~44,000円 |
ランクインの理由
最初のRTXシリーズ、2060がランクインです。
約束されたDLSSの恩恵により、しばらく先まで運用を担保されているのがメリット。
軽めのゲームならば素晴らしいフレームレートを叩き出すため、e-spots界隈でも圏内なカードと呼べるでしょう。
価格もRTXシリーズとは思えないほど低水準であるため、ローエンドからの乗り換えにも戸惑いは少ないはずです。
RTX 2060の弱点
自身というよりも、競合の存在がRTX 2060の価値を危ういものとしています。
RX 5700や、兄貴分のRTX 2060Superが素晴らしいコストパフォーマンスを見せるため、相対的に霞みがちなのが痛いところ。
ほんの僅かなコストアップで、上位カードの背中が見えている。
また4K体験はゲームによって厳しく、1440pでも場合によっては設定を落とすことを要求されることがあります。
RTXシリーズとはいえ、値段相応の性能である面は特徴。
総評
最低限の構成とはいえ、DLSSの恩恵を受けられるのは大きなメリットです。
ローエンドユーザーの乗り換えのきっかけとしては、悪くないチョイスとなるでしょう。
ランク外のビデオカードたち

精査前のポイント表を掲載します。
推奨ポイントを参照し、その後各メディアの順位やロジックを元に上記のランキングを作成しました。
いずれもグラフィックカードに見識の高いメディアであるため、信憑性はかなり高いはずです。
また、惜しくもトップ10に入れなかったグラフィックカードたちですが、それぞれ長所を持ち合わせています。
逆に言うと、このポイント表に記されていないグラボは、そもそも購入の選択肢に入れることが誤りである、とも取れるでしょう。
番外編:Radeon Ⅶ

恐らく、仮にRadeon Ⅶが今も生産中であれば、かなり上位に食い込んでいたことは予想されるでしょう。
RTX 2080シリーズと対等に渡り合う、AMD唯一のカードでした。
AMDは原価割れを恐れて生産を中止しましたが、逆に考えればそれはユーザーにとって優位性の高いカードである、ということです。
それほど、VRAM16GBというのは圧倒的なインパクトを持っていました。
自分に合うグラフィックカードは見つかりましたか?
以下の記事では、コスパのみに焦点を絞ったグラボ選びを解説しています。
また以下では、グラボの操縦桿とも呼べる、ドライバの正しい更新方法について解説しました。
大変長い記事を、最後まで読んでくださってありがとうございます。
ぜひとも、快適なゲームライフを手に入れてくださいね。